会社にいたときは、申請すれば経理部が全部やってくれていた。
でもフリーランスになった今、経費処理はぜんぶ自分ひとり。
レシートはとってあるけど…どうしたらいいの?
次の確定申告はバタバタしたくないけどよくわからない、そんな不安もありますよね。
こんにちは、フリーランスでオンライン秘書をしている47歳すみです。
開業届を出して個人事業主になったのはいいものの、私も前回の確定申告で経費処理をきちんとつけておけばよかった…!ととても後悔しました。
なぜなら、レシートをとっていただけでいいと思っていたから。
この記事では私のようになってもらいたくないので、前回の確定申告で私が学んだフリーランスの経費処理の方法やコツを公開します。
これだけ押さえれば次の確定申告で「焦らなくてよかった!」と思えるはず。
私の実録をヒントに、楽に経費処理を進められますように。
それではいってみましょう!
【実録】40代フリーランスがぶっちゃける確定申告
会社員だった頃は、気が付いたら年末調整が終わっていて確定申告する必要ななかったし、規定どおりに計上すれば経費は全部経理部が処理してくれていました。
でも今は一人…、不安ですよね。
このセクションでは、ぼんやりした知識のまま確定申告したフリーランスの経験談をお伝えしていきます。
なんとなくでやっていた準備
フリーランスとなった今では全部自分でやらなければなりません。
頭では理解していたものの、具体的にどんなことをしたらよいのかわからず、見て見ぬふりをしていました。
なんとな〜く経費になりそうなレシートはとっておく。
なんとな〜く「漫画でわかる経費処理の本」を買ってみて読む。
これでやった気になっていたんですよね。
やろうと思えばなんとかなるだろうと油断していました。
今思えば、それが甘かったんですよね。
フリーランス仲間の焦りで覚えた危機感
私が確定申告を意識したのは、2月の頭の頃、SNSでフリーランス仲間が「そろそろ確定申告の準備をしないと」という一言にハッとしたんです。
調べてみると、確定申告の開始時期は毎年2月半ば。
そして受付は約1ヶ月後。
そのSNSのつぶやきがなかったら、もしかしたらそのままスルーしていたかもしれません。
確定申告をしないと無申告加算税や延滞税、重加算税などが課される可能性があります。
その事実を知ったときようやく「やらないと」という気になりました。
対策していなかった末路〜初年度だからよかった〜
まずは税務署のサイトにいって申告書を見てみました。
細部に渡ってひとつひとつ確認しながら入力。
私は前年9月までは前の会社にいて源泉徴収票はもらっていたので、10月から12月の三ヶ月間の申請をすることになりました。
実際やってみたら思った以上に細かくて、経費の計算も大変。
「本気で稼いでる年だったら大惨事だった」と反省しきりでした。
今年は来年度に向けて1月からきちんとつけるようにしています。
これできっと次の確定申告にはあわてない…はず!
そこで次のセクションからは、自戒も込めて次の確定申告で慌てないために経費の初歩をお伝えしていこうと思います。
初心者でもすぐわかる フリーランスの経費一覧

そうはいっても経費ってどれをどう仕分けするの?
簿記の資格があるわけでもないし、ネットで経費を調べても難しくてよくわからないことも多いですよね。
そこでこのセクションでは、すぐわかるように一覧にしました。
次の確定申告の参考にしてみてくださいね。
まずはざっくり理解しよう、フリーランスの経費一覧
経費で押さえておきたいのは固定費と流動費。
これを押さえておくと、なにが毎月「必ず出ていくお金」かがハッキリするので年間でのお金の計画が立てやすいです。
また、無駄な出費に気づけたり、固定費なら繰り返し登録しておけば手間が減るなどのメリットも。
そこで、フリーランスによくある経費を固定費と流動費の違いを踏まえて一覧にしました。
固定費:毎月ある程度決まった額でかかるもの
項目 | 主な勘定科目 | メモ |
---|---|---|
家賃 | 地代家賃 | 自宅兼オフィスは按分して使う |
光熱費 | 水道光熱費 | 電気代、ガス代、水道代、エアコン代、家族共用なら使用割合に応じて按分 |
インターネット代 | 通信費 | 家族共用なら使用割合に応じて按分 |
スマホ代 | 通信費 | 個人利用との区分を明確にしておくことが重要 |
サブスク系 | 消耗品費 または ソフトウェア使用料 |
月額課金のアプリは「消耗品費」、高額買い切りは「工具器具備品」などに該当するケースも |
レンタル費用 | 地代家賃 または 会議費 |
オフィス利用なら「地代家賃」、打ち合わせなら「会議費」と分ける場合もあり |
変動費:その月の活動量や内容によって増減するもの
項目 | 主な勘定科目 | メモ |
---|---|---|
交通費 | 旅費交通費 | 電車・バス・タクシー・ガソリン代など対象(※レシート不要なIC支払は履歴控え) |
カフェ代 | 会議費 または 接待交際費 |
打ち合わせなら「会議費」、誰かと同席なら「交際費」、1人での作業目的は説明要 |
文房具・備品 | 消耗品費 | 少額の事務用品はすべてこちらでOK(10万円未満) |
外注費 |
外注工賃 | クラウドワークス・ココナラなどでの業務委託報酬に該当 |
書籍・教材費 |
新聞図書費 または 研修費 |
書籍なら「図書費」、セミナー参加費やオンライン講座は「研修費」がおすすめ |
按分のヒント
固定費の中で使用している『按分』という言葉に疑問を抱いた方もいると思います。
按分は自宅の支出のうち「仕事で使っている分だけを“事業用経費”として計上すること」。
ここでは、そのヒントをお伝えしますね。
🏠 家賃
基準は仕事に使っている部屋の面積割合になります。
例:2LDK(50㎡)のうち、1部屋(6畳=約10㎡)を仕事用に使っている
→ 10㎡ ÷ 50㎡ = 20%を経費として計上可
⚠️ワンルームの場合でも「作業スペースの範囲」を測って按分できます。
(例:部屋の半分を机まわりに使っている → 約50%)
💡 光熱費(電気・ガス・水道など)
基準は仕事で使っている時間帯と面積をざっくり組み合わせて考えること。
例:
・平日は1日6時間仕事でエアコン・照明・PCを使用
・仕事で使う空間は家全体の30%
→ 時間:6時間 ÷ 24時間 ≒ 25%
→ 面積:30%
→ 25% × 30% = 約7〜10%を目安に経費に
⚠️電気代だけ按分し、水道やガスは除くケースもあります。
(お風呂・料理メインのため)
🌐 インターネット代
基準は使用時間と目的(仕事・プライベート)で割合を決めます。
例:
・1日10時間中、6時間は仕事で使っている → 60%
・プライベートのYouTubeや買い物は夜のみ → 残り40%
→ 50〜70%を経費にするケースが多い
⚠️ルーター・Wi-Fi料金も含めてOK
⚠️複数人で使っている場合は、世帯全体の使用者数で割るとさらに正確です。
知っておきたい勘定科目のこと
ここで勘定科目について、おさらいをしておきましょう。
勘定科目とはお金の出入りを「どんな内容か」で分類したラベルのこと。
帳簿や確定申告で「これは何のお金ですか?」を表すための名前です。
そうは言ってもよくわからない…、というひとのために、押さえておきたい勘定科目のポイントを3つかんたんにまとめました。
押さえておきたい勘定科目のポイント
①【なにに使ったか】をまず考える
「目的」が重要です。
たとえば同じ「1,000円の支出」でも目的によって科目が変わるので注意。
②細かく分けすぎない
細かすぎる分類はしなくても大丈夫。
大事なのは「税務署に説明できるかどうか」で判断すればOKです。
③【税務署に説明できるならOK】
会計ソフトやアプリには「代表的な科目」が用意されているのでそれに沿って使えば十分。
一見グレーなものでも「なぜこの科目にしたか」をメモしておけば安心です。
勘定科目の判断基準と考え方
勘定科目に迷ったら、下記のステップで考えてみればOKです。
チェックリストとして使ってみてくださいね。
【基本ステップ(チェックリスト)】
①まずは支出の内容を見る(なにを、なんのために使った?)
②使った目的を判断する(仕事用?プライベート?)
③科目の候補を2~3個まで絞る(迷ってもOK)
④自分で「こういう理由でこの科目にした」と言えるか?
フリーランスがよく使う勘定科目ベスト10
勘定科目 | 使う場面 |
---|---|
消耗品費 | 文房具、名刺、USB、100円ショップの小物など |
通信費 | スマホ代、ネット代、クラウド系アプリの月額料金 |
旅費交通費 | 電車代、バス代、ガソリン代、出張費など |
外注工賃 | 外注ライターやデザイナーへの報酬 |
会議費 | 打ち合わせのカフェ代(1人分なら要注意) |
地代家賃 | 事務所の家賃、自宅の按分ぶんの家賃 |
水道光熱費 | 電気・ガス・水道(自宅兼用なら按分) |
新聞図書費 | ビジネス書、業界誌、情報収集の本 |
研修費 | セミナー・講座などの参加費 |
接待交際費 | お客さんとの飲食や手土産など(※使いすぎ注意) |
私もレシートや領収書に軽くメモを残すなど、聞かれたらすぐ答えられるような記憶を手繰り寄せるヒントをつけるようにしています。
月々の経費処理のポイント

確定申告になってから「やっておけばよかった」と後悔しないために、月々で行う経費処理のポイントをお伝えします。
明日からの行動につなげてみてくださいね。
経費を記録しておく
経費はレシートや領収書があればOKではありません。
重要なのはいつ・なにに・なんのために使ったかを記録しておくこと。
レシートをもらったら、その場でスマホメモ or 会計アプリに入力する。
内容がわかりにくい支出には「メモ」をつける。
そのとき勘定科目がわからなければあとで調整はいくらでもできますので、「消耗品費」などざっくりでOKです。
書き忘れると何に使ったかわからなくなり、経費にできないはめに。
とっておくだけじゃなく、書いておくことが大事です。
確定申告で後悔しないために
レシートをまとめて袋に入れていたら、なんの支出かわからなくなっていた。
月末にやろうと思っていたら忘れたまま放置。
こんな風に、こまめにやらず後回しにするとどんどん積もっていきます。
私も確定申告の直前で一気に整理することになりましたが、これが1年分だったら数日から数週間、その処理でつぶれてしまうことに…。
焦ってやると経費に入れ損ねて税金が増えて損することになりかねません。
確定申告で泣かないために、日頃から経費処理をする癖を付けておきましょうね。
無料で使えるおすすめアプリ
やった方がいいのはわかったけど、やっぱり毎月数字と向き合うのって億劫。
私も最初はスプレッドシートで管理していましたがなかなか続かなくて、これを1年やるのか…、と気付いてから無料で始められるアプリをいくつか試してみました。
中でも特によかったのがこの3つ。
どれもフリーランス初心者でも使いやすく初期費用ゼロから始められるのでおすすめです。
アプリ名 | 特徴 | おすすめポイント |
---|---|---|
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まずは相性がよさそうなものを試してみてくださいね。
さいごに
経費処理は「ここまでやったら終わり」ということがありません。
完璧を目指すと手が止まってしまうので、まずは『家計簿感覚』で手軽に始めてみるのがおすすめです。
気軽に・でも忘れないように、を心がけて。
「焦らなくてよかった」と思える自分を未来に置いておく感覚で、まずは今日のレシートから、メモをつけてみましょう。
明日から経費処理をしようと思えるはじめの一歩になったら幸いです。
ここまで読んでいただきありがとうございました!