会社を辞めてフリーランスになってしばらく経った頃。
最初はバタバタだったけど、仕事にもだんだん慣れてきた。
でもある日、自分の単価を調べてみたら…相場よりずっと低くて…。
ふと周りを見渡して調べてみたら、「どうしよう、私だけ…?」——そんな風に一人で不安になったこと、ありませんか?
こんにちは。フリーランスのオンライン秘書をしているすみです。
自分の単価が周りよりも低いとわかってしまったとき、このまま続けるのか単価交渉をすべきなのか、悩むこともありますよね。
かといって、単価交渉をして嫌われたら?
めんどくさいやつだと思われたら?
果ては、お仕事がなくなってしまったら?
その先絶望しかない、と自分に自信がなかった私は頭を抱えることもありました。
でも、そんなとき知ったんです。
フリーランスの単価交渉はしていい。
焦らなくてもちゃんと『自分に合ったやり方』があるということ。
私みたいに悩んだ人でも試せるやり方や、踏み出すタイミングがちゃんとあるんです。
今日はそんな不安を断ち切るために「私がどんな風に考えて交渉していったのか」をお伝えします。
次の単価交渉の参考に交渉の例文もお伝えしますので安心してくださいね。
それではいってみましょう!
単価交渉を成功に導くための攻略ガイド|例文付きで不安をゼロに

わからない、どうしよう…そんな気持ちは焦りや不安を招きますよね。
単価交渉は「やり方を知っている」だけで、怖さがグッと和らぐものです。
このセクションで解説するのは、交渉のタイミング・準備・注意点・具体的な伝え方。
私が行ってきた方法を順を追って解説しますのでぜひ読んでみてくださいね。
成功しやすい交渉のタイミングを考える
思い立ったら吉日!すぐ行動しよう!
単価交渉はそんなに単純にうまくはいくものではありません。
相手にも都合というものがあるというもの。
ここぞ!というときを狙うと相手も交渉を飲みやすいです。
たとえば、
・契約更新・継続判断のタイミング
(例:月末・四半期終了時)
・成果が出たとき
(例:フォロワー◯人増加、業務効率が上がった、資料の評価を受けたなど)
・業務内容や量が変化したとき
(最初の依頼より明らかに負荷が増えている場合)
納品や成果など「貢献の直後」に切り出すと相手も受け入れやすいです。
私も唐突に単価交渉しようとして変な空気になったことがあります…、「相手が受け入れやすいタイミング」で切り出すのがとても重要、と覚えておきましょう。
見誤らないように『タイミング』はしっかり把握しないといけないな、と今でも教訓になっています。
交渉の前にやっておきたい準備
準備もなしに交渉するのは無謀というもの。
普段着で富士山に登りにいくようなものです。
事前にしっかり準備をしておきましょう。
・実績・成果を棚卸しする(数字、評価コメント、対応件数など)
・相手にとってのメリットを可視化する
(例:◯時間短縮、提案で成約率UPなど)
・単価アップの「理由」を自分の中で言語化しておく
「自分が値上げしたいから」ということを全面に出すのではなく、「成果に見合った適正なもの」として伝えることで相手も納得しやすいです。
単価交渉の伝え方【例文付き】
そうは言ってもどうしたら…、という方のために、単価交渉の例文をご用意しました。
案件のフェーズ別にしてみたので、ぜひ複製&調整して使ってみてくださいね。
《新規案件》初回見積もり(応募)時にやんわり交渉
仕事に対しては前向きな交渉が進んでいるけれど、単価がどうしても安い…。
そんなときもありますよね。
この場合のポイントは『相手を否定せずに少しだけ単価を上げてもらえないか相談』ベースにすること。
ご提案いただきありがとうございます。
業務内容を拝見し、ぜひ前向きにお受けしたいと感じております。
一点ご相談なのですが、単価につきまして、
過去の類似案件や作業工数を踏まえると、ややボリュームがある印象を受けております。
可能であれば、◯円ほどご調整いただくことは可能でしょうか?
ご予算の都合もあるかと思いますので、難しければ現状の条件で進めさせていただく形でも問題ありません。
どうぞご検討いただけますと幸いです。
《継続案件の場合》信頼関係ができてからの単価交渉
数ヶ月継続してきた案件で、納品も安定しクライアントとの関係も良好なパターン。
「実績ベースで信頼が積み上がっているから」こその交渉です。
いつもご依頼ありがとうございます。
◯ヶ月にわたり継続してお仕事をご一緒できており大変ありがたく思っております。
おかげさまで業務の流れにも慣れ、よりスムーズに進められるようになってまいりました。
そこで一点、ご相談がございます。
現在の業務量や対応範囲をふまえ、もし可能であれば単価について再度ご相談させていただけませんでしょうか?
例えば、1案件あたり+◯円、または月額ベースでのご調整など、
御社のご都合に沿った形でお話しできればと思っております。
急ぎではございませんので、次回のご相談タイミング等でお時間いただけましたら幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
交渉時に避けたいNGワード
勇気を出して交渉したのに決裂してしまった…。
そんなことは避けたいですよね。
先方と交渉する前に、下記のような交渉になっていないか今一度振り返ってみる癖をつけるのも大事かもしれません。
「他の人はもっと高いらしくて…」
→ 比較・他者を持ち出すのは逆効果
「生活が厳しいので単価を上げてもらえませんか?」
→ こちらの都合だけだと自分勝手に見えてしまう
「もうちょっと上げてくれませんか?」
→ 理由が曖昧・抽象的すぎる
「もし無理なら全然いいんですけど…」
→弱気すぎるのもかえって逆効果に
自分の状態をわかってほしい気持ちもわかりますが、相手を責めないように持っていくのがポイント。
あくまで「相手ありき」なのを忘れないようにしたいですね。
単価交渉は信頼を壊すものではなく「お互いにとって納得できる形」を作るためのコミュニケーション。
ぜひ積み上げてきた自分の実績や関係性に自信を持って伝えてみてくださいね。
単価交渉に必要なものを知って備えよう

実は、単価交渉は伝え方や例文を知っていただけで上手くいくものではありません。
大切なのは「相手とどれだけ信頼関係を積み上げられているか」。
ここでは交渉の成功を左右すると言っても過言ではない『土台』についてお伝えします。
交渉に必要なのは「言い方」だけではない
「どう伝えたら良いのか」ばかり気になりますよね。
でも実際、それだけで相手は納得はしれくれません。
クライアントは『言葉』よりも『これまでの実績や態度』を見て判断します。
例文が完璧でも、信頼が足りなければ“要求”に見えてしまいます。
「信頼関係ができているか」「この人になら払ってもいいと思えるか」。
それこそが単価交渉の『前提条件』なんですね。
実績・信頼・姿勢があってこそ伝わる
交渉のカナメになるのは次の『3つの積み上げ』視点。
日頃から意識しておきたい部分です。
実績 | 納品数、納品の速さ、改善提案、成果数字、社内での評価など |
信頼 | 納期厳守、丁寧な対応、緊急対応、返信の速さなど |
姿勢 | 常に「相手目線」であること、要望への+α対応、責任感の伝わる行動 |
自分では当たり前だと思っていたことが『信頼ポイント』につながっていることも少なくありません。
できているな!と感じた部分は自信を持っていいと思います。
単価は 『交渉する』のではなく『信頼の結果』
単価交渉、というと自分本位なのでは…。
そんな気持ちになることもありますよね。
でも、単価交渉は「積み上げた信頼を言葉で見える化すること」。
突然切り出すよりも日々の仕事の中でどれだけ『交渉の布石』を打っているかが重要になってくるんです。
単価交渉を成功させるためにも大事なのは「どんな価値提供をしてきたか」という土台。
そう捉えたら、なんだかやれることが見えてきませんか?
交渉は『勝負の一瞬』ではなく『準備と積み重ねの延長線上』にあるということを頭に入れておきながら日々の業務で信頼を積み上げていきたいですね。
「言ったら終わる」は思い込み?『交渉=悪』という勘違い

「交渉したら関係が壊れるかも…」
「嫌われたらどうしよう」
そんな風に思って何も言えずに悩んでいたりしませんか?
でもその不安の影には「思い込み」が隠れているかもしれません。
クライアント側の視点から考える
クライアントにとって価格交渉にメリットはあるのでしょうか?
それは「報酬に対して不満がある」と知れるということ。
無理に我慢されて辞められる方がよほど困る、と思っているクライアントも少なくありません。
「言われなければ気づけない」のはお互い様。
今後のよりよい関係を続けていくためにもコミュニケーションとしての『交渉』が必要になってくる場面もあります。
逆に、言わないことで信頼を損ねることも
何も言わずに我慢の末に突然辞めたり、納品の質が下がる、などが起きると、クライアントは「裏切られた」と感じることもあります。
フィードバックのない相手に対しては、クライアントが距離を置き始めるケースも。
“言わない=配慮”ではなく、“言わない=不信感”と受け取られる可能性があることを忘れてはいけません。
我慢しすぎることも実は関係を壊すリスクになり得ることを常に意識しておきたいですね。
信頼関係の中で伝えることは「調整」であって「要求」
単価交渉は、「もっとお金を出してください」という一方的な要求ではありません。
あくまで業務量・成果・契約内容などを基軸に、今後もお互いが気持ちよくお仕事を続けるための“条件の見直し”なのです。
ちゃんと信頼関係が築けてさえいれば、交渉はむしろ「健全な確認作業」。
“交渉”という言葉が苦手意識を誘発させているケースもあります。
その場合は「ご相談」や「すり合わせ」と捉え直すとハードルが下がりますよ。
単価交渉は「言わないやさしさ」が必要なときもあるけれど、伝えることで信頼につながる場面もたくさんあります。
ちゃんと相談してくれる人、と思ってもらえることは、相手と信頼関係を深めるキッカケになっていくことを覚えておきたいですね。
覚えておきたい単価交渉のメリット・デメリット

単価交渉するとよいことってなんだろう?
不安を乗り越えてもやった方がいいメリットってなに?
単価交渉にはメリットもあれば注意しておいた方が良いポイントもあります。
「とにかく上げればいい」というものではありません。
自分の状況や関係性に合っているかが大事です。
ちょっと冷静に両側面から見てみることにしましょう。
単価交渉のメリット
「単価が上がる=数字の話」だけでなく、「働き方やマインド」にも好影響が出るもの。
適正な評価を受けられたり余裕のある働き方ができると自信にもつながっていきます。
メリット | 解説 |
適正な報酬が得られる | 「なんとなく安く引き受けてしまった案件」の見直しに。 時給換算でのストレス軽減にもつながる |
自分の価値を再確認できる | 実績・対応内容を言語化することで、自分の強みや貢献を整理できる |
相手との信頼関係が深まる | 丁寧に相談することで、「この人はプロ意識がある」と評価されることも多い |
他案件とのバランスがとりやすくなる | 「もっと条件のいい案件に注力したい」と思ったときに、単価調整は選択肢になる |
単価交渉のデメリット(注意点)
デメリットは伝え方・準備不足・タイミングのミスで起こることがほとんど。
事前準備をしっかりすると回避できることも多いです。
焦らずしっかりと把握しておくことで成功への近道になりますよ。
デメリット | 解説 |
タイミングや伝え方を間違えると関係がギクシャクする | 特に継続案件でいきなり金額の話を出すと、印象が悪くなる可能性も |
断られることがある | 相手の予算や方針で受け入れられないこともあり得る (※だからと言って失敗ではない) |
「この人、扱いづらいかも」と思われるリスク | 強引な伝え方や、理由のない一方的な値上げ要求は信頼を損なう可能性がある |
断られたときにメンタルに響くことも | 「自分の価値が否定された」と感じてしまいやすい(←そうではないと伝えるフォローが必要) |
単価交渉は良くも悪くも「人と人とのやりとり」。
大事なのは言うか言わないかといった単純な話ではなくて「自分が納得できる形ではたらいていけるか」ということ。
メリット・デメリットを踏まえて自分に合った選択肢を選びたいですね。
さいごに
単価交渉は「無理にするもの」ではありません。
でもいざとなったときのために備えておくことは働き方の選択肢を広げます。
単価交渉は怖くて当たり前。
それだけ真剣に仕事をしてきた証拠なのですから、それを責めないでくださいね。
言い方やタイミングを事前に知っておけば、交渉は関係性を『整える』ことに繋がります。
チャンスがきたときに動けるように、準備する。
そのためには日々の積み重ねや信頼がきっと大きな味方になりますよ。
もし今はまだ言えなくても、この記事の例文を保存して備えてみてくださいね。
焦る気持ちが少しは穏やかになるはず。
ここまで読んでいただきありがとうございました!